モジュラー衣装システム¶
概要¶
Marvelous Designer 2025で新しく導入されたモジュラー ライブラリ機能を活用することで、効率的に衣装のバリエーションを作成できるようになりました。従来の一から作り直すワークフローから、ブロック セットを組み合わせるモジュラー式の制作方法へと進化しています。
学習時間の目安
- 基礎理解: 30分
- 実践ワークフロー: 1-2時間
- 応用技術: 3-4時間
モジュラー システムの基本概念¶
1. モジュラー ライブラリ(Modular Library)¶
保存済みのガーメント グループやブロック セットから新しいバリエーションを作成するシステムです。
- 衣装の各部位をモジュール化してライブラリに保存
- 既存のパーツを組み合わせて新しいデザインを効率的に制作
- CLO-SETとの統合でアセット管理が簡単に
2. ブロック セット(Block Sets)¶
衣装を構成する各部位をブロック化したモジュールシステムです。
主要なブロック要素: - 身頃(ボディ): 前身頃・後身頃 - 袖(スリーブ): 長袖・半袖・ノースリーブ - スカート・パンツ: ロング・ショート・フレア - 襟(カラー): 丸襟・角襟・スタンドカラー
基本ワークフロー¶
ステップ1: モジュラー モードの開始¶
- File → New → Modular Templateを選択
- 衣装カテゴリーとモジュラー テンプレート タイプを選択
- 2Dウィンドウに選択したモジュラー テンプレートが表示される
ステップ2: パターンの配置¶
- 追加されたガーメント ファイルからパターンをクリック&ドラッグ
- 対応するブロック ボックスにパターンを配置
- パターンがブロック ボックスにリンクされ、ボックスがダークグレーに変化
ステップ3: 縫製とシミュレーション¶
- ブロック ボックスはデフォルトで縫製済み
- 必要に応じて追加の縫製ラインを設定
- シミュレーションを実行して衣装の動作を確認
ステップ4: ブロック ファイルの保存¶
- File → Save Blockでブロック ファイルとして保存
- ライブラリに登録して再利用可能な状態にする
VRChat向け最適化のポイント¶
アバター ポーズの推奨設定¶
重要な設定変更
VRC対応モデルは通常T-ポーズで作られていますが、Marvelous Designerではa-ポーズでの作業を強く推奨します。
A-ポーズの利点: - 自然なクロスシミュレーション - 肩まわりの布の詰まりを防止 - 不自然なシワの発生を抑制
EveryWearとの連携¶
EveryWearは、ゲームエンジンやリアルタイム プラットフォーム向けのエクスポート ツールセットです。
主な機能: - VRChat SDK対応の最適化エクスポート - ポリゴン数の自動調整 - UV マッピングの最適化 - 物理演算パラメータの調整
実践的な応用例¶
学校制服セットの作成¶
- ベース ブロック: 標準的なブレザーとスカート
- バリエーション: 袖なし、半袖、冬服仕様
- カスタマイズ: 校章、リボン、ソックスの長さ
カジュアル衣装セット¶
- トップス ブロック: Tシャツ、長袖、タンクトップ
- ボトムス ブロック: ジーンズ、ショーツ、スカート
- アクセサリー: パーカー、カーディガン
よくある問題と解決方法¶
Q: ブロック同士の縫製がうまくいかない¶
A: ブロック ボックス間の縫製ラインを確認し、パターンのマージン設定を調整してください。
Q: シミュレーション結果が不自然¶
A: 以下を確認してください: - アバターがA-ポーズになっているか - 布の物理プロパティ設定 - クロス同士の干渉設定
Q: エクスポート時のポリゴン数が多すぎる¶
A: EveryWearの最適化設定を活用し、VRChat推奨のポリゴン数範囲内に調整してください。
学習リソース¶
公式チュートリアル¶
- Marvelous Designer 公式 日本語チュートリアル動画(VRChat & EveryWear対応)
- CLO-SET モジュラー ライブラリ ガイド
コミュニティ リソース¶
- BOOTH: 『Marvelous Designer CG衣装制作講座』(328ページの詳細ガイド)
- 立花シキミ式VRChat用アバター改変ワークフロー
次のステップ¶
モジュラー衣装システムをマスターしたら、以下の発展的なトピックに進みましょう:
このガイドは Marvelous Designer 2025.0 以降を対象としています。古いバージョンでは一部の機能が利用できない場合があります。