Unity・VRChat SDK設定ガイド¶
所要時間: 約45分 初心者向け
このページの目的: UnityとVRChat SDK3を正しく設定し、アバター制作・アップロードの準備を完了します。
事前準備
- ソフトウェア確認ガイドが完了していること
- Unity Hub、Unity 2022.3.22f1、VRChat Creator Companionがインストール済みであること
- VRChatアカウントを持っていること
🎯 今回達成する目標¶
- ✅ VRChat Creator Companionを正しく設定する
- ✅ Unity 2022.3.22f1でVRChatプロジェクトを作成する
- ✅ VRChat SDK3をインストールする
- ✅ アバター開発環境を準備する
- ✅ テスト用のシンプルなアバターをアップロードする
🚀 設定手順¶
ステップ 1: VRChat Creator Companion (VCC) セットアップ¶
VCCの初期設定
**VCCを起動して初期設定を行います**:
1. **VRChat Creator Companion**を起動
2. 初回起動時に表示される案内に従って進む
3. VRChatアカウントでログインする
**Unity Editorの設定**:
1. **「Settings」** タブをクリック
2. **「Unity Editors」** セクションを確認
3. **Unity 2022.3.22f1** が表示されていることを確認
!!! tip "Unity Editorが認識されない場合"
1. **「Add Unity Install」** をクリック
2. Unity 2022.3.22f1のインストール場所を手動で指定
3. 通常は `C:\Program Files\Unity\Hub\Editor\2022.3.22f1\Editor\Unity.exe`
新規VRChatプロジェクトの作成
**アバター制作用プロジェクトを作成します**:
1. VCCのメイン画面で **「Create New Project」** をクリック
2. **「Avatar」** プロジェクトタイプを選択
3. プロジェクト情報を入力:
- **Project Name**: `VRChat衣装制作プロジェクト`
- **Location**: 作成した「VRChat衣装制作/UnityProjects/」フォルダ内
4. **「Create Project」** をクリック
**自動的に行われる処理**:
- Unity Editorが起動します
- VRChat SDK3が自動的にインストールされます
- 必要なパッケージが設定されます
!!! success "プロジェクト作成完了"
Unity Editorが起動し、VRChatのロゴが表示されたらプロジェクト作成完了です。
ステップ 2: Unity Editorの確認と設定¶
Unity Editorの初期確認
**Unity Editorが正常に動作しているか確認します**:
**画面構成の確認**:
- **Scene View** (3D作業画面)
- **Game View** (実行時プレビュー)
- **Hierarchy** (オブジェクト一覧)
- **Project** (アセット管理)
- **Inspector** (プロパティ設定)
**VRChat SDK3の確認**:
1. 上部メニューバーに **「VRChat SDK」** メニューが表示されているか確認
2. **「VRChat SDK」** → **「Show Control Panel」** をクリック
3. VRChat SDK Control Panelが開くことを確認
!!! warning "VRChat SDKメニューが表示されない場合"
1. **「Window」** → **「Package Manager」** を開く
2. **「In Project」** を選択して「VRChat SDK - Avatars」が表示されているか確認
3. 表示されていない場合は、VCCから再度プロジェクトを作成
Unity Editorの基本設定
**開発しやすい環境に調整します**:
**Layout設定**:
1. 右上の **「Layout」** ドロップダウンから **「2 by 3」** を選択
2. または自分の好みに合わせて調整
**Auto Saveの有効化**:
1. **「Edit」** → **「Preferences」** → **「General」**
2. **「Auto Refresh」** を有効にする
**日本語化(オプション)**:
- Unity 2022では日本語化パッケージが利用可能
- **「Window」** → **「Package Manager」** → **「Unity Registry」** → **「Localization Package」**
ステップ 3: VRChat SDK3の詳細設定¶
VRChat Control Panelの設定
**VRChat SDK Control Panelを開いて設定します**:
1. **「VRChat SDK」** → **「Show Control Panel」**
2. **「Authentication」** タブでVRChatアカウントにログイン
**アバター設定の確認**:
1. **「Builder」** タブを選択
2. **「Build & Publish for Windows」** セクションが表示されることを確認
**設定項目**:
- **Publish to VRChat**: VRChatにアップロードする場合に使用
- **Build Only**: テスト用ビルドのみ
- **Test Avatar**: ローカルテスト用
!!! info "Trust Rank について"
VRChatにアバターをアップロードするには「New User」以上のTrust Rankが必要です。
ステップ 4: テスト用アバターでの動作確認¶
シンプルなテストアバターの作成
**基本的なアバターでVRChat統合をテストします**:
**デフォルトアバターの使用**:
1. ProjectウィンドウでVRChat SDK samplesを確認
2. **「VRChat SDK」** → **「Samples」** → **「Avatar Dynamics Robot Avatar」**
3. シーンにロボットアバターをドラッグ&ドロップ
**VRChat Avatar Descriptorの確認**:
1. Hierarchyでアバターを選択
2. InspectorでVRChat Avatar Descriptorコンポーネントを確認
3. **View Position**(視点位置)が設定されていることを確認
!!! tip "カスタムアバターを使用したい場合"
お持ちのFBXファイルも同様にドラッグ&ドロップで追加できますが、最初はテスト用アバターで動作確認することをお勧めします。
Build & Testでローカルテスト
**作成したアバターをローカルでテストします**:
1. VRChat SDK Control Panelの **「Builder」** タブを開く
2. **「Build & Test」** をクリック
3. ビルド処理が開始されます
**ビルド完了後**:
1. VRChatが自動的に起動します(インストールされている場合)
2. ローカルテスト用のワールドが開きます
3. 作成したアバターが使用可能になります
!!! success "テスト成功!"
VRChatでアバターを確認できれば、基本的な統合環境の構築完了です。
ステップ 5: プロジェクト構造の理解¶
フォルダ構造の整理
**効率的な作業のために、プロジェクト構造を理解しましょう**:
**推奨フォルダ構造**:
**フォルダを作成する方法**:
1. Projectウィンドウで右クリック
2. **「Create」** → **「Folder」**
3. 上記の名前でフォルダを作成
!!! tip "プロジェクト管理のコツ"
ファイルが増えてくると管理が大変になります。最初からフォルダ分けを心がけましょう。
🔧 トラブルシューティング¶
VCC関連トラブル¶
「VCCでプロジェクトが作成できない」
対処法:
- 権限の問題:
- VCCを管理者権限で実行
-
ウイルス対策ソフトの除外設定を確認
-
パスの問題:
- 日本語が含まれないパスを使用
-
パスが長すぎないか確認
-
ネットワークの問題:
- インターネット接続を確認
- ファイアウォール設定を確認
「Unity Editorが認識されない」
対処法:
- Unity Hubから正確なバージョン(2022.3.22f1)をインストール
- VCCの Settings → Unity Editors で手動追加
- 複数のUnityバージョンがインストールされている場合は整理
Unity関連トラブル¶
「VRChat SDKメニューが表示されない」
対処法:
- Package Managerの確認:
- Window → Package Manager
-
In Project で VRChat SDK - Avatars が表示されているか確認
-
再インポート:
- Assets → Reimport All
-
しばらく時間がかかりますが完了を待つ
-
プロジェクトの再作成:
- VCCから新しいプロジェクトを作成し直す
「ビルドが失敗する」
対処法:
- コンソールエラーの確認:
-
Window → General → Console でエラーメッセージを確認
-
よくあるエラーと対処:
- Missing script: 破損したコンポーネントを削除
- Path too long: より短いパスに移動
- Shader error: 使用しているシェーダーを確認
✅ 完了チェックリスト¶
全て完了したら、Unity・VRChat統合環境の準備完了です:
Unity・VRChat SDK設定完了
- [ ] VRChat Creator Companionが正常に動作する - [ ] Unity 2022.3.22f1でVRChatプロジェクトを作成できた - [ ] VRChat SDK3が正しくインストールされている - [ ] VRChat SDK Control Panelが開ける - [ ] VRChatアカウントでログインできた - [ ] テスト用アバターでBuild & Testが成功した - [ ] プロジェクトフォルダ構造を理解した - [ ] VRChatでローカルテストができた🌟 次のステップ¶
Unity・VRChat統合環境の準備ができました!
次は実際にMarvelous Designerで衣装制作を始めましょう:
Marvelous Designer基本インターフェースを学ぶ →
または、すぐに実践に移りたい場合は:
📚 参考情報¶
VRChat開発に役立つリソース¶
- VRChat Creator Docs: https://creators.vrchat.com/
- VRChat SDK Release Notes: https://creators.vrchat.com/releases/
- Unity Learn: https://learn.unity.com/
コミュニティ¶
- VRChat 日本語コミュニティ: Discord招待リンク
- Unity 日本語フォーラム: Unity Forum Japan
環境構築完了!
お疲れ様でした!これでVRChat衣装制作に必要な全ての基本環境が整いました。次はいよいよ実際の衣装制作に入ります!